CentOSは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)との完全互換を目指したフリーのLinuxディストリビューションであり、CentOS 7は、2014年7月7日にリリースされました。
CentOS 6までは32bit版、64bit版とがありましたが、CentOS 7から64bit版のみの提供となります。
近年ではデータ量の増加により、32bitのアドレス幅の限界が見えてきたことと、4GBを超えるメモリー搭載量のサーバーが一般的になってきたことから、32bit版はなくなりました。
systemdの採用
システム全体を管理する仕組みが、従来のUpstartからsystemdへ置き換わりました。
システム起動時のサービスの起動がすべてsystemdによって行われ、サービス間の依存性の管理や、起動順序の管理などもsystemdが行います。
これに伴い、サービスを起動したり停止したりする際に使っていたinitスクリプトが廃止され、すべてsystemdの「ユニットファイル」にて管理されます。
firewalld
ファイアウォールの管理の仕組みとしては、firewalldが搭載されています。従来のiptablesも利用できますが、firewalldがCentOS 7ではデフォルトとなっています。
iptablesではIPアドレスやポート番号を指定して、フィルタリングルールを記述しましたが、firewalldでは、サービスという単位で、許可/拒否を制御します。
これからはfirewalldが標準になっていくと思われます。
XFSファイルシステム
デフォルトのファイルシステムが従来のext4からXFSに変わりました。
近年のデータ増加量のトレンドから、1つのファイルシステムの容量上限拡大および性能面でのスケーラビリティが求められるようになったことが変更の背景としてあるようです。
XFSでサポートされるファイルシステムの容量上限は、100TBから500TBと、5倍に引き上げられました。
ext4も、従来どおりサポートされます。
ネットワークの設定
CentOS 7のネットワークは、NetworkManagerというソフトウェアで管理されています。
NetworkManagerにはGUIベースのnmtui、コマンドラインベースのnmcli、デスクトップ画面向けのnm-connection-editorというツールが含まれており、それらのツールを使用して、IPアドレス等のネットワーク設定を行うことになります。
また、IPアドレスやルーティングテーブルの表示、セッション確認のコマンドも変わっており、ipコマンドやssコマンドを使うとになります。
CentOS 6やRHEL 6までは、これらの操作に、net-toolsパッケージに含まれるifconfigやroute、arp、netstatといったコマンドが使われてきました。CentOS 7、RHEL 7ではnet-toolsは推奨されず、同パッケージは廃止予定ということです。
まだ、完全に廃止されたわけではなく、あくまで廃止予定ということで、yumコマンドなどでnet-toolsパッケージのインストールは可能ですが、いずれはなくなるので新しいコマンドを覚える必要があります。